甕仕込みワイン

私たちは甕で仕込むワイン造りに誇りを持っています。それは「おばあちゃんの煮込み鍋」にも例えられる素焼き粘土の古い甕の場合も、分厚い鉄なべや中華鍋を思わせるコンクリート製の甕であっても、同じです。

私たち、「星のワイナリー」では、毎年、二つの醸造蔵で合計19個の甕でワインを発酵させます。19世紀に建てられた蔵には、ビジャロブレド(アルバセーテ県)の職人、ファン・デ・ラ・ギアとその一族が粘土を素焼きして手作りした年代物の甕が並んでおり、それぞれの甕の容量は約5,000リットルです。もうひとつの蔵には、20世紀半ばに造られた内面をガラス化したコンクリート製の甕が並び、各甕の容量は11,000リットルとなっています。

  

  

素晴らしい陶製品であるこれらの甕は、以下の特性によって醸造過程で使用される素材の持ち味をしっかりと引き出してくれます。

-    甕は熱安定性が高いので発酵がゆっくりと穏やかに進行すると同時に、卵型の形状の中で液体が動くことによって均一な攪拌が可能となります。

-    甕は静電気が起きない素材でできているので、発酵過程で単品種ブドウ果汁の状態に影響を及ぼすことがないため、極めて繊細な特性を持つワインを生み出すことができます。

-    甕の中でコンスタントに起こっている毛細管現象とミクロ・オキシジェナシオン(酸素微泡取り込み)の効果で赤ワイン特有の青臭みや渋みが除去されるため、

還元による影響もなく、出来上がったワインは完熟ブドウの深い味わいを持っています。

  

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甕でのワイン熟成

甕で熟成させると渋みとタンニンの苦味を減らすことができます。また、アロマの配合を安定させ、後味をよりはっきり感じさせる効果もあります。

その形状と素材のおかげで、壁面が常に濡れていてデカンテーションがやり易くなると同時に、極微細な澱を攪拌しやすいというメリットもあります。さらに、ミクロ・オキシジェナシオン(酸素微泡取り込み)の効果によって微細澱によって起こる還元を中和することができます。

そしてもうひとつ、マンノプロテインの活動が強化されることによって、酒石酸塩や色素をより安定した状態に保つことができます。

  

甕での育成

オーク樽と比べて甕で行う育成にはいくつもの違いがあります。最も重要なものとして挙げられるのが、木で造られている樽と違い、甕の素材からはその成分が溶け出すことは一切ないので、ブドウ品種がもつ特徴を「外的要素」に由来するアロマや味わいによって変質させないと言う点です。

酸化熟成とアントシアニン破壊の過程は穏やかで短いため、フラボノイドができることはほとんどありません。こうして育成されたワインは、ブドウに由来するアロマが損なわれず、熟成によってそれがより深いものになります。こうして醸し出されるフルーツのアロマは果実のコンポートを思わせます。ブドウの果実が持っていたフルーティーな香りは甕での熟成を経て、このように独自の別なアロマへと変りました。